JALから特典航空券のルールが2018年12月1日から変更になるとの重大発表がありました。この変更は改善となるのか、それとも改悪となるのでしょうか?今できる対策や、ルール変更後にできる対策を検討したいと思います。
JAL国際線特典航空券PLUSとは?
JAL国際線特典航空券PLUSが導入されるということですが、これはどんなサービスでしょうか?JAL公式サイトには次のように説明されています。
JAL国際線特典航空券PLUS(以下、PLUS)とは、これまでのJAL国際線特典航空券ではキャンセル待ちになるような場合でも、追加のマイルをいただくことで、特典航空券としてご利用いただけるサービスです。
これまでのJAL国際線特典航空券の必要マイル数(以下、基本マイル数)は変更なく、基本マイル数でご予約いただけるケースに変わりはありません。なお、一部路線においてはこれまでより少ないマイル数を設定いたしますので、おトクにご利用いただけます。
これまでの特典航空券に必要なマイルには変更が無いか、もしくは必要マイル数が少なくなり、追加のマイルさえ払えば今まで取れなかった場合でも特典航空券が取れる可能性が高くなるということです。図解にするとこんなイメージです。
例えば、25000マイル必要な特典航空券ですと通常であれば現在と同じ25000マイルで予約可能ということですね。
でも特典航空券に空席が無く現在ですとキャンセル待ちになるような場合でも、追加マイルを払えば特典航空券が予約可能ということですね。そしてその追加で必要なマイルは予想残席に応じて変動するということです。この例であれば、追加で11000マイル必要な時もあれば、追加で16000マイル必要な時もあるということですね。
これだけを見れば改善のように感じますが実際はどうなんでしょうか?メリットとデメリットを比較したいと思います。
メリット
JAL公式サイトにも記載されていますが、メリットは特に上記の3つということになるようです。
1、特典航空券を利用できるチャンスが広がる
確かにこれまでは特典航空券に空席が無ければ、キャンセル待ちするしかなく予約できませんでした。
でも、PLUS開始後は基本マイルで空席がなくても、追加のマイルさえ払えば予約できる、つまり希望日に特典航空券を取れる可能性が高くなるということですね。
確かにこれはメリットかも知れません。もっとも、追加のマイルがどれだけ必要かに左右されますので、もし希望日が少しの追加マイルで予約できる場合は、確かにメリットと言えますね。
2、旅のプランが立てやすくなる
確かに現在ですと、空席が無い状態ではキャンセル待ちするしかなく、最終的に予約できるかどうかの保証はありません。
でも、PLUSですとすぐに予約確定できるので、会社に休みを取ったり、早い時期からホテルやオプショナルツアーの予約を取ったりできるので、確かにプランが立てやすくなると言えます。
3、これまでよりも少ない必要マイル数で発券可能
これは単純に必要マイル数が少なくなりますので改善と言えますね。以下の路線の必要マイル数が少なくなります。
- 高雄 8500
- クアラルンプール 14500
- ジャカルタ 15500
- シンガポール 12000
- ハノイ 13000
- ホーチミンシティ 13000
- シドニー 18000
- モスクワ 17500
- パリ 26000
- フランクフルト 23000
- ヘルシンキ 23500
- ロンドン 26600
いずれも片道に必要なマイル数でエコノミークラスとなっています。
ここまででは、確かに新しいPLUSではいくつかのメリットがありそうですね。では今度はデメリットの部分を考えたいと思います。
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デメリット
当たり前ですが、このデメリットの部分はJAL公式サイトではデカデカとか書いていません。細かい部分や注釈にデメリットが隠されているので、よく注意して読む必要があります。
キャンセル待ち不可
新ルールのPLUSでは、基本マイルで空席が無い場合は追加マイルで予約できるようになる代わりに、現在できるキャンセル待ちができなくなります。
ということは、現在はキャンセル待ちで可能性は低いにしても、基本マイルで予約できる可能性があったわけです。でも新しいPLUSでは基本マイルで空席が無い場合は、もうその時点で選択肢は追加マイルを払うか諦めるかということになります。
特に上級会員の方で、キャンセル待ちの優遇を活用されていた方にとっては、大きなデメリットとなりそうですね。
この新しいPLUSは、エコノミーとビジネスクラスの予約のみ適用で、ファーストクラスの予約には適用されませんので、ファーストクラスの予約に関しては、現在と同様にキャンセル待ちができるようです。
必要マイル数の大幅な増加
この部分が一番デメリットになるかも知れません。以下の表が新しいPLUSを利用した場合の追加必要マイル数です。
例えば、大人気ハワイですとどうでしょうか?
エコノミー
- 基本マイル:20000マイル
- PLUS利用時:〜114000マイル
ビジネス
- 基本マイル:40000マイル
- PLUS利用時:〜224000マイル
PLUS利用で往復ですと、エコノミーで最大228000マイル、ビジネスですと最大448000マイルが追加で必要ということになります。
はい、とんでもない数字になりました。これが家族4人とかになるとどうなるんでしょうか?エコノミーでも約90万マイル必要になります。無理ですね(笑)
最大値のマイルが必要な時期は、お盆や年末年始などの時期だけだとは思いますが、追加の必要マイル数によってはかなりのデメリットになりそうです。追加のマイルさえ払えば特典航空券が取れますよと言っても、その追加マイルが多過ぎれば実際には取れないことになってしまいますもんね。
予約変更不可
PLUS導入にあたり他にもルールが変更になっています。このあたりのデメリットは注意事項など良く読む必要があります。
新しいルールでは何と予約変更が不可になってしまいました。これもかなりの改悪ですね。今までのように、とりあえず予約しておいて後で変更しようということが気軽にできなくなりました。
そして、欄外の小さな注意事項にはこうあります。
予約を変更する場合は、ご手配済みの特典航空券を取り消し・払い戻しのうえ、新たにご希望の旅程でご手配ください。特典航空券の払い戻し時は、3,100円(税込)*の払戻手数料を申し受けます。
つまり、予約変更できないので3100円払って一旦キャンセルして、再度予約してねということですね。この変更はかなりの改悪と言えるのではないでしょうか。
海外発日本経由旅程廃止と利用区間の変更
海外発日本経由旅程が廃止ということですが、これは一般の方にとってはあまり関係ないかも知れませんが、海外在住の方や、飛行機が大好きでいろんなルートを駆使して飛んでいる方にとっては改悪ですね。
あと利用区間も変更になりました。
往路復路それぞれ
- 現在:国際2区間、国内1区間まで
- 新ルール:国際1区間、国内1区間まで
国際線が1区間に変更になり少なくなりました。これらの変更で、例えばロサンゼルス → 東京 → シンガポールみたいなフライトは予約できないということですので、自由度が下がったと言うことですね。
対策を検討
さて、ここまで見てきますと、やはりメリットよりデメリットの方が多い気がしますね。では今できる対策と、新しいPLUSが始まってからの対策を考えたいと思います。
今できる対策
それは、なるべくPLUS開始前までに特典航空券を予約しておくということです。それには次のようなメリットがあります。
PLUS開始前までに特典航空券を発券していれば、その発券時点でのルールが適用されるということです。実際のフライト日がPLUS開始後でも大丈夫です。
ですので、PLUS開始後であっても予約変更が今まで通りできますので、とりあえず行きたいところがあったり、旅行に行けそうなら2018年12月までに特典航空券の予約をしておいた方が良さそうです。
PLUS開始後の対策
①JAL特典航空券が取れない場合は提携航空会社で発券する
この対策に関してもJALのサイトの注意書きにヒントがあります。
JAL国際線アップグレード特典、JMB提携航空会社特典航空券、ワンワールド特典航空券は、ルールの変更はなく、これまでどおりご利用いただけます。
JMB提携航空会社特典航空券、ワンワールド特典航空券は、ルールの変更は無くこれまで通り利用できますので、予約変更の可能性がある場合はJALにこだわらず提携航空会社などを考える方が良いかも知れませんね。
また、JALで希望の特典航空券が取れない場合も、無理してPLUSの追加マイルを払うのでなく、提携航空会社やワンワールドの航空会社で発券する方が結果的にマイルが少なくすむこともあると思います。その辺は、PLUSの追加マイルと提携航空会社の必要マイル数を見比べての判断になると思います。
②どうしてもJAL便が良い場合は有償やeJALポイントを利用する
どうしてもJAL便が良い場合も、無理してPLUSの追加マイルを払うよりは、割り切って有償で航空券を購入するか、マイルをeJALポイントに交換して航空券を購入した方が場合によっては良いかも知れませんね。しかも購入した方がマイルもFOPも貯まりますからね。
それでこの場合も、PLUSの追加マイルを払うのと有償とどちらがお得かを見比べての判断となりそうですね。
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まとめ
今回のJAL特典航空券のルール変更は、ほとんどの部分で改悪と言えると思います。ただ、PLUSの追加マイルを利用しないや、提携航空会社を利用するといった対策も取れますので、何とかやっていけそうですね。
そしてさすが日経企業で十分前もって告知してくれましたので、変更までにマイルを貯めたり特典航空券を発券してしまうこともできるのは助かります。これが外資系なら猶予なしってこともありますからね(笑)